• 久世福商店目利きの店が集う
    産直オンライン商店街

  • Vol.3 奇跡の醤

    —東北編

    とにかく東北で出会う人出会う人、パワー漲る個性豊かな素敵な人ばかり!岩手の陸前高田で出会ったのは、八木澤商店社長の河野さん。
     

    八木澤商店:1807年に八木澤酒造を創業したのち、大正年間にしょうゆ醸造業を兼業。昭和35年に株式会社八木澤商店となり、全国醤油品評会でも受賞を重ねる由緒正しき伝統あるお醤油やさん。

     

     
    その日はまだまだ暑さの残る日。汗をじんわりと滲ませながら、必死の想いで久世福e商店街についてお話をさせていただくと…「これは楽しい!おもしろい!」と、少年のように目をキラキラさせながらすぐに賛同してくださった河野さん。(こんな反応をいただけると、あぁ、長旅をした甲斐があったと思えます…)
      

     
    その場の一同、話が弾んで汗も一層ぽたぽたり。河野さんの口からはお仲間の素敵な生産者さんの名前が次々と。「あれも!」「これも!」「ここが繋がったらこんな面白いことに!」と、話しているだけで私たちもわくわくしてしまうような、全身でパワーを発するキラキラ河野さん。熱いエネルギーをいただいて、こうやって一つの出会いから繋がりが生まれていって、商店街が出来上がっていくんだなという実感を得ながら過ごしたひととき。
     
    そのあと一緒に工場案内をしてくださった加藤さんをはじめ、みなさん自然な笑顔と温かさをもつ、心地よい空気感のある場所、それが八木澤商店でありました。
     

     
     
     
    少し車を走らせて、工場を見学させていただけることに。無事到着したものの、朝食で納豆を食べてしまったY田さんは何故か立ち入り禁止に!?!
     
    はい。そうなんです、醤油蔵には麹菌たちが住み着いているのです。納豆菌は立ち入り禁止よ、ということで、Y田さんはお留守番。(食べなくてよかった!!💦)
     

     
    大豆や小麦などの原料から、瓶詰めの行程など丁寧にご案内いただき、中でも、もろみを搾る作業は圧巻。
     

     
    木製の搾り機にもろみを流しいれるのですが、一度にすべて流すのではなく、1枚1枚布でくるんで、100段重ねを×4列。息の合ったお2人が、流れるようにテンポよく作業を進めていく姿は大変美しいものです。
      

     
    次第にもろみ自身の重みで押しつぶされていくため、隙間からちょろちょろとお醤油が溢れていきます。最終的には、上からしっかりプレスしていくとお醤油が搾られるのですが、この火入れ前の搾りたて生醤油を少し舐めさせていただきました。
     

     
    穀物のシンプルなうまみと甘みがあり、とっても柔らかくてマイルド。淡く儚く、やさしさを感じる味です。ここからまた手を加えて、更に深く味わいが変化していくのが発酵食品の面白いところ。これもまたよし、あれもよし。
     

     
    一通り見学した後、外に出てみると大きなタンクがずらり。実はこの中にはもろみが。
     


    「天然醸造方式」を用いて醸造しているとのことですが、天然醸造とは…もろみを醗酵・熟成させる期間、一切自動で加温させずに、自然の気温のみで醗酵させる昔ながらの醸造方式。外気の気温が上昇する夏場を二度経過させることにより醗酵・熟成期間が増し、塩かどがとれ、まろやかで口あたりが良い醤油本来のふくよかな味と香りが生まれるそう。手間と時間がかかる=製造コストもかさみますが、最も良い状態で醤油を造るという、造り手の信念を感じます。
     
    「外気温や空気はこの土地にしかないもの。風土が反映されている醤油なんです。」そんな言葉が印象的でした。
     
    そして何より、この中に入っているもろみは、“奇跡のもろみ” なのです。
     
    東日本大震災で岩手県陸前高田市内は壊滅的な被害を受け、大津波は八木澤商店の工場外壁だけを残して、すべてを流し去りました。その中で、いくつもの偶然や出会いが重なり奇跡的に見つかった震災前のもろみ。これが培養されていき、命を繋いで今ここにあるのです。

    奇跡のもろみを搾って造られる
    「奇跡の醤」のストーリーはこちらから

     
    この日記などにはとても記すことのできない、たくさんの想いが八木澤商店にはありました。ぜひ一度お店を覗いてみてくださいね。