• 北陸特集②
    知っているようであまり知らない「きんつば」そこには、あんこと想いがぎっしり詰まっていました。

    【石川県能美市】味路庵(あじろあん)

    今月は北陸のつくり手をご紹介します!

     北陸は、石川・富山・福井の3県のこと。石川といえば古都金沢の情緒あふれる街並み、富山は迫力満点の黒部ダムが有名!福井県は越前がにが絶品ですよね。のどぐろ・ほたるいかなどなど、北陸は日本海に面しているだけあって、海の幸が本当においしい!でも海だけじゃないんです。白山や立山など日本で有数の山々もあって・・・海の潮風を感じながらきれいな山を眺められるなんて、ちょっと恵まれすぎやしませんか!
     さて今月は、そんな豊かな自然と歴史ある風土が育んだ、北陸の逸品をご紹介していきます。

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    知っているようであまり知らない「きんつば」そこには、あんこと想いがぎっしり詰まっていました。

     薄皮の中に、ぎっしりとあんこが詰まった贅沢な和菓子「きんつば」。今回は、石川県能美市で「きんつば」をはじめとした和菓子づくりを営む「味路庵」を訪ねました。味路庵の「きんつば」は、何といってもつやつやと輝く小豆粒が魅力!その香りと皮のほど良い食感が自慢の一品です。

     そもそも、どうして「きんつば」って言うのか、皆さんご存知ですか?
     一説によると、日本刀の持ち手部分にある「鍔(つば)」をモチーフにした「銀鍔(ぎんつば)」という和菓子がはじまりなのだそうです。江戸時代に生まれた古い歴史のある和菓子。のちに、銀よりも、”金”の方が縁起が良いから「金鍔(きんつば)」になったと言われています。

    ■きんつば製造の工場に潜入!

     では、きんつばはどうやってつくられるのでしょうか。味路庵、営業の上野さんご案内のもと、工場に潜入!工場に足を踏み入れた瞬間、あんこのあま~い香りに包まれました。あんこ好きの私にはたまらない空間。笑 さてさて、この香りの出所を探してみましょう。

     見つけました!大きな釜であんを炊いています。ほんのり緑色。この日は、抹茶味のあんを炊いていました。

    >>その日によって少しずつ変わるあんづくり

     味路庵のあんは、豆をつぶさず、やわらかく炊き上げるため、その日の気温や湿度も加味し、火加減や材料を微妙に調整しています。この仕込み作業は、経験のある限られた職人だからこそできること。

     あんは1時間ほどかけてじっくりと炊き、糖度を調整しながら、仕上げていきます。

    >>あんが炊き上がったら・・・

     炊き上がったあんは型に流し込み、すぐさま、型をテーブルに打ち付けながら、素早くコテでならしていきます。きんつばの形、高さを均一に揃えるためはもちろん、こうすることで空気が抜け、しっとりとした食感を出すことができるのだそうです。

     1バット8kgを100枚以上、1人でひたすらこの作業を繰り返します。体力と根気が必要です!しかも炊き上がってすぐのものなので、相当熱いはず。ですが、それすらも感じさせない、職人さんのすごさを見ました。

     その後、冷めて固まったあんをカットし、きんつばの皮となる生地をつけて焼いていきます。ジューッと生地の焼ける音と香ばしい香り。そうしてできあがったきんつばは、手のひらサイズで何とも愛くるしい!それでいて、あんがぎっしり詰まり、ずっしり重い。

    >>できたてのきんつば、いただきます!

     特別に、できたてホヤホヤのきんつばをいただきました。ほのかに温かくて、あんがしっとり、ほど良い甘さです。小豆の粒がしっかり残っているので食感も楽しく、小さいのにしっかり食べ応えもあります。お茶と一緒にいただき、これぞ至福のひと時・・・!という気分でした。はぁ~心が休まる。

    ■味路庵だからこそできること

     実は、石川県内にはきんつばの老舗がたくさんあり、味路庵はきんつば業界ではまだまだ新参者。だからこそできる、新しい商品づくりにこだわっています。意外な食材を使ったきんつばをつくりたい!という相談をお客様からよく受けるそうで、そのニーズにお応えした商品化にも取り組んでいるのです。

     営業の上野さんは言います。「すでにでき上がった商品を営業で売る!ではなく、お客様から相談を受け、開発・企画から携わることができる。自分で売るものを一から組み立てて、商品化できることに喜びを感じます。」お客様と一緒に商品をつくっていく。それが味路庵の大切にする、新しいきんつばの在り方です。

    ■今日もいい日だったね。そう思える、おいしいきんつばを

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     実は私、数年前に久世福商店の売り場スタッフとして働いていたとき、人生で初めてきんつばを食べました。それが味路庵のきんつば。そこからきんつばの魅力にどっぷりハマったわけなのです。そのことを上野さんに話すと、「やっぱり~」と、何かを察していたような、不思議な反応が返ってきました。

     「若い方はお金を出してきんつばを買うというシチュエーションがものすごく少ないんですよ。名前は知っていても食べたことがない。食べたことがあるとしても、貰い物ということがほとんどで・・・」と上野さん。きっと私も、売り場で働いていなければ未だに食べていないかもしれない、と妙に納得してしまいました。

    株式会社味路庵 営業 上野英之さん

     上野さんは、とても研究熱心な方。若い方や女性に気軽に手に取ってもらえる、そんなきんつばを作れるように日々試行錯誤しています。おいしいものを作って、それをどう皆さんに知っていただくかということが課題だそうです。

    「若い方が手に取ってくださることはもちろん、いつもの味だね~と安心してもらえたり、夜のほっと一息つく時間に楽しんでもらい、今日もいい日だったね~と1日を終えられるようなお菓子をつくり続けたい」

     多く皆さんにきんつばを知っていただき、永く愛していただきたいという想いを語ってくださいました。

    家事や仕事の合間、お茶の時間に。味路庵のきんつばで、ほっと一息つきませんか?

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