• 北陸特集⑥
    オーガニック界のレジェンドが手がける、生産者の顔が見えるおいしい”たなつもの”

    【石川県金沢市】たなつや(金沢大地)

    今月は北陸のつくり手をご紹介します!

     北陸は、石川・富山・福井の3県のこと。石川といえば古都金沢の情緒あふれる街並み、富山は迫力満点の黒部ダムが有名!福井県は越前がにが絶品ですよね。のどぐろ・ほたるいかなどなど、北陸は日本海に面しているだけあって、海の幸が本当においしい!でも海だけじゃないんです。白山や立山など日本で有数の山々もあって・・・海の潮風を感じながらきれいな山を眺められるなんて、ちょっと恵まれすぎやしませんか!
     さて今月は、そんな豊かな自然と歴史ある風土が育んだ、北陸の逸品をご紹介していきます。

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    オーガニック界のレジェンドが手がける、生産者の顔が見えるおいしい”たなつもの”

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     はちみつ? いいえ、こちらは「じろ飴」。金沢で今も受け継がれる伝統甘味料です。今回は、こちらのじろ飴を作っている、石川県金沢市の「たなつや」を訪ねました。「たなつや」は、石川県で環境保全型農業を営むオーガニックファーム「金沢大地」が運営しているブランド。その金沢大地の社長、井村辰二郎さんに創業の経緯や商品づくりについてお話を伺いました。

    ■脱サラしてはじめた有機農業

     井村社長、もともとはサラリーマン!地元の広告代理店に8年勤め、1997年に脱サラし、お父様が営んでいた農業のあとを継いだそうです。小さいときから、いつかは農業をしなきゃいけないという意識があったそうですが、農業家になることを決めたのは、サラリーマン時代の仕事がきっかけ。

     「たまたま顧客に、環境問題などの先進的な情報を持っている企業を担当することがあって。その会社案内を作ったり、インタビューをしたりする中で、“自分で何かを生み出すような仕事をしたい”と思うようになったんです。」と井村社長。家業である農業に目を向けたとき、「農業ほど、持続可能性があって、環境保全に資するような生業はない!」ということを再認識して、農業の世界に飛び込んだそうです。

    ■生産者の顔が見える商品づくり

     ただ農業を継ぐのではなく、”持続可能”で“生物多様性”を大切にした農業をしたいと考えた井村社長は、「有機農業」という考えに行き着きました。当時の日本では、有機やオーガニックはまだあまり知られておらず、マーケットもほとんど無い時代。井村社長は、オーガニック界を切り開いてきた先駆者なのです!

    ▲金沢大地 社長の井村辰二郎さん 全国有機農業推進協議会の副理事長や日本オーガニック&ナチュラルフーズ協会(JONA)の理事なども務められています。

     「どこで作っているんだろう、誰が作っているんだろうとお客様は気にしますよね。私の場合、『誰が食べているんだろう』『どういう気持ちで食べているんだろう』と、これがすごく大事だということを感じています。双方向のトレーサビリティができないと信頼関係は生まれないし、食べ物を通じた絆は生まれないと考えたんです。」と井村社長。
      金沢大地では、生産者の顔が見える関係を大切にしています。米・麦・大豆を主軸に、自社農場の有機農産物を主原料として、日々の暮らしに身近な加工品も製造・販売しています。また、ただオーガニックで作れば良いという考えではなく、伝統食品、発酵食品、無添加、砂糖不使用など、昔ながらの製法で食べる方の健康に資することも大事なコンセプトです。

     こちらは有機六条大麦の畑。金沢大地の圃場は石川県内に180haほどあり、日本の農家の中ではかなり大規模です。ちなみにこの畑は「北京」という名前!覚えやすいように圃場に地名がついており、オーストラリアや大阪などもあるそうです。笑 

    ■「穀屋」と書いて「たなつや」

     オーガニックの商品づくりにこだわる一方で、こんな問題もありました。オーガニックは規定が厳しく、商品開発の幅が狭まってしまうことです。「世の中には消費者に伝えたい”いいもの”がたくさんあるのに、そこに縛られてしまうのは、もったいない。」そう井村社長は感じたそうで、自社農場の米・麦・大豆はもちろん、国内の選りすぐりの原料も使いながら、今までよりも少し肩の力を抜いて商品を作れないかと考えたのです。そこで、穀物農家ということもあり、”穀物”を一つのキーワードにしました。「穀物」は古い言葉で「たなつもの」と言い、そこからヒントを得て「穀屋」と書いて「たなつや」に。こうして新しいブランドが立ち上がりました!

    ■金沢で受け継がれる伝統甘味料「じろ飴」

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     金沢で今も受け継がれる伝統甘味料「じろ飴」。米と大麦だけで作った水あめのことで、「米飴」とも言います。「やわらかい」を意味する「じるい」という古い言葉がなまって、「じろ」になったことが名前の由来なのだそうです。「じろ飴」は、砂糖が一般家庭に広く普及する以前より、庶民の甘味料として愛されてきたことをはじめ、和菓子や加賀料理に伝統的に使用されています。
     たなつやの「じろ飴」は、自社農場の石川県産特別栽培米と石川県産有機大麦だけで作っています。甘みは砂糖のおよそ3割程度で、優しく、コクのある味わい!はちみつのようにパンに塗ったり、魚の煮付けや照り焼きの甘み・照り出しに。また、湯に溶いて、生姜の搾り汁を加えて「飴湯」にするのもおすすめです。
     ただ、じろ飴だけではなかなか手に取りづらいという現状も。そこで、お砂糖に代わる「じろ飴」のやさしい甘味を活かして、ジャムやジンジャーシロップ、豆菓子、きんつばも作られています。

    ▲金沢あめちゃんジャム お買い物はこちら►

    さつまいもの「五郎島金時」、「打木赤皮甘栗かぼちゃ」といった伝統加賀野菜や果物をじろ飴と組み合わせてジャムに。

     

    ▲じろあめジンジャーシロップ お買い物はこちら►

    砂糖を一切使用せず、じろ飴、国産蜂蜜、高知産生姜の絞り汁のみ使用しています。じろ飴の優しく柔らかな甘さと生姜の風味をシンプルに感じる一品。

     

    ▲たまきなこ お買い物はこちら►

    金沢大地のオーガニック大豆の炒り豆に、オーガニックきな粉をたっぷりとまとわせました。炒り豆のまわりに仕込ませたじろ飴のカリッとした食感が楽しめます。

     

     その他、久世福e商店街で近日中に販売予定の、日本酒やお醤油もおすすめ。原料の有機大豆、小麦の両方を自社農場でつくったものを使った「国産有機醤油滉(あきら)」や、同じ金沢市内の酒造メーカー(中村屋)に委託して、元々は海外の輸出用に開発した「有機純米酒 AKIRA」も。どちらも井村社長のお父様の名前がつけられており、お父様の農業に敬意を表してつくられたのだそうです。

    ■「おいしい」ことが一番大事

     「食べてくださった方が、おいしいと言ってくださることが一番うれしい。これ以外はいらないくらいです。」と井村社長。

     オーガニックを取り入れた、生産者の顔が見える商品づくり。どんな人がどんな気持ちで食べているのかを考えながらつくられた、たなつやの商品は、心からほっとするおいしさです。

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