• 四国特集④
    伊吹島が育む小さな恵み
    いりこになれなかったカタクチイワシを、無駄なくおいしく!

    【香川県観音寺(かんおんじ)市】
    うまんじゃまる(共栄冷凍水産)

    今月は四国のつくり手をご紹介します!

     青い海に浮かぶたくさんの島々。こちらは香川県の紫雲出山から眺めた瀬戸内海です。本州・四国・九州に囲まれた瀬戸内海にはたくさんの島があり、その数はなんと700以上。のんびりと穏やかで、時間を忘れてしまうほどの絶景です。今回の四国では、どんなつくり手と逸品に出合えるのでしょうか!

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    伊吹島が育む小さな恵み
    いりこになれなかったカタクチイワシを、無駄なくおいしく!

     時刻は朝5時半。ここは、香川県観音寺市の港町にある、伊吹漁業協同組合魚市場。瀬戸内海、伊吹島周辺で水揚げされた魚介類が集まります。競り師たちの威勢の良い掛け声が飛び交う中、次から次へと新鮮な魚たちが競りにかけられていく様子は圧巻です!

     今回こちらの魚市場には、左手前に写っている「うまんじゃまる(共栄冷凍水産)」の藤村社長のお誘いでお邪魔しました。うまんじゃまるでは、地元の魚を使った加工品づくりや冷蔵冷凍倉庫業を営んでいます。

    ■伊吹島が育む高級いりこ

    「いりこ」とは、煮干しのこと。一般的にカタクチイワシを原料とし、西日本では「いりこ」、東日本では「煮干し」と呼びます。

     海流が穏やかな瀬戸内海、伊吹島周辺では、古くより骨や身の柔らかい良質なカタクチイワシが多く水揚げされます。このカタクチイワシから作られるいりこは、知る人ぞ知る高級品、「伊吹いりこ」のブランドとして、讃岐うどんのだしには欠かせないものとなっています。イワシ漁の最盛期は6月~9月。伊吹いりこの網元は15軒あり、計60隻の船が朝5時に一斉にイワシ漁に出る、そんな光景を頻繁に見ることができるそうですよ。
     ところが、近年はいりこに適さない、脂が多くのったイワシが増え、いりこの生産量は減少しています。脂がのった魚はおいしい!というイメージがありますが、いりこにする場合は逆。酸化した脂が見た目や味に影響するため、脂がのっていない方が良いのです。

    ■みんなが見捨てるものを有効活用する

     いりこに適さない脂がのったイワシは、これまで使われることはありませんでした。そんなイワシを網元から直接買い付けて、学校給食や惣菜、飲食店向けの粉付き冷凍商品や、オイルサーディンなどを加工・販売しているのが、うまんじゃまるです。

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     もともと創業時は、先代である藤村社長のお父様が買い付けたイワシで、いりこ加工を行っていたそうですが、後に冷凍倉庫業にシフトしていきます。藤村社長が継いだあと、安定的に会社を維持するには、自分で買い付けたものを加工・販売することもやはり必要だと考え、再び加工業に注力することを決めたそうです。
     しかし、なぜいりこにできない、脂がのったイワシを買い付けるようになったのでしょうか・・!きっかけは、地域資源に関する講演会に参加したことだそうです。

    ▲共栄冷凍水産 社長の藤村昭夫さん

     地面に落ちてほったらかしにされたミカンを使ったジュースづくり、合鴨農法に利用したアイガモを使った燻製・ハムの加工販売など。そこで聞いたのは、みんなが見捨てている、見落としている地域資源を有効活用する取り組みでした。そこで藤村社長が注目したのが、伊吹島のカタクチイワシ。
     「海にイワシはいっぱいおるけど、脂がのっていりこにできんのばかりでは漁に出られん。網元や先代の親父がそう嘆いていたのを聞いてましたんでね、そこで気が付いたんです。未利用のイワシを使ったらええんでないかと。」その考えはカタクチイワシだけに留まらず、シタビラメや太刀魚など、通常よりもサイズが小さくて値が付かない魚も藤村社長は買い付け、商品化・販売を行っています。

    ■1匹ずつ手作業で

     さて、この日はちょうど、唐揚げ用の商品「伊吹島カタクチイワシの打粉付」に使うカタクチイワシを下処理しており、加工現場を見せていただけることに。

     まさに新鮮そのもの!きれいなイワシですね。うまんじゃまるでは、魚の買い付けから凍結・保管・製造・出荷までを一貫して自社で行っています。鮮度を保ったまま素早く冷凍・保管し、加工することができるのです。

     イワシの下処理は1匹ずつ手作業で行います。「手先の仕事やから、この作業がなかなか難しいんですわ。」と藤村社長。でも従業員の皆さんは、それを感じさせないほど早いスピードで、頭と内臓をきれいに取り除いていきます。1時間で処理するイワシは、なんと約1000匹だというから驚き!ちなみにカットした頭は、漁の餌に再利用されるので無駄がありません。
     また、オイルサーディン用のイワシを処理するときは、仕上がりの見た目も大事なので、頭の切り方を変えたり、尾を切り落としたり、より丁寧に処理するそうです。

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     うまんじゃまるのオイルサーディンは、鮮度が良く、身が締まったカタクチイワシを厳選していることもこだわり。そして味付けはシンプル。イワシそのものの味を引き出すために、オリーブオイル、塩、にんにく、唐辛子など、使う材料は最小限です。イワシはもちろん、その味が染み出たオイルまで、ぜひ楽しんでほしい一品です。
     うまんじゃまるのオイルサーディンも打粉付商品も、化学調味料や添加物は不使用。打粉に使うのは馬鈴薯でんぷんなので、小麦アレルギーの方にも安心!原材料はなるべくシンプルなものをと考えられています。

    ■社長直伝!カタクチイワシの簡単クッキング

     なにやら、玉ねぎを切り始めた藤村社長。「伊吹島カタクチイワシの打粉付」を使った料理を、社長自ら実演してくださいました!市販の調味酢に薄くスライスした玉ねぎを浸し、そこに揚げたて熱々のカタクチイワシを投入!

     「揚げたそのままもええけどね、酢に漬けたらうまいんや。」そうやってできたのは、カタクチイワシの南蛮漬け。揚げたてのイワシに酢がしっかり染み込んで、さっぱりおいしい!ご家庭でも簡単にでき、作り置きのおかずにもぴったりですね。

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     ちなみに、そのまま揚げるとこんな感じ!打粉付きの冷凍状態で届くので、そのまま油で揚げることはもちろん、天ぷら粉をつけて揚げれば、ふっくらイワシの天ぷらができあがり。頭を取り除いているので、苦みが気になる方も食べやすくておすすめです。

    ▲社長が作ってくださったイワシの天ぷら。衣がサクッと身がほくほく。これはお酒片手にどんどん進んじゃう味だ・・・間違いない!

    ■父親の教えと、漁師さんのご縁を大切に

     「昔、親父が釘を拾って、曲がっとんのを直して使っとった。子供ながらにそれを見て、そんな面倒くさいこと何ですんかいな・・と思ってそのときは腹が立ちよったけど、考えてみたら、ものを大事にすることを教えてくれたんやと思うね。」
     幼い頃から近くで見てきたお父様の姿や考え方、それが今に通じていると藤村社長は感じているそうです。また、先代からのつながりで、たくさんの漁師さんが協力してくださることで今があり、「この縁は”財産”やな」ということも語ってくださいました。

     いりこの島でいりこにならなかったイワシを無駄なくおいしく!伊吹島の小さな恵みを、ご家庭で味わってみませんか?

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