• 秋田特集②
    一本一本、手でつくる。
    つるっとなめらか!
    350年伝わる「稲庭うどん」

    【秋田県湯沢市】稲庭吟祥堂本舗
    (いなにわぎんしょうどうほんぽ)

    今月は秋田のつくり手をご紹介します!

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     平たくて、半透明のつややかな麺。つるっとのど越しが良さそうなこちらは、日本三大うどんの一つ、秋田県の「稲庭うどん」です。今回は、秋田県湯沢市稲庭町の「稲庭吟祥堂本舗」(以下、「吟祥堂本舗」)に伺い、稲庭うどんづくりを覗いてきました!

    ■稲庭うどんのはじまり

     受け継がれて約350年!稲庭うどんの歴史は、江戸時代初期、秋田県の稲庭地区に住んでいた佐藤市兵衛が、地元産の小麦粉を使って干しうどんを作ったのがはじまり。藩主への上納品として納められていた稲庭うどんは、上品なおいしさから、のちに藩御用達の名産品となりました。厳選された材料と熟練の技で作られるため、当時は”超高級品”とされ、庶民が日常で食べる機会は、ほとんどなかったというから驚きです!

    ■手づくりだからこそ生み出せる、なめらかさと風味

     稲庭うどんは、麺を熟成させながら、練る・綯う(なう)・つぶす・延ばすの工程を経てつくられます。製造の機械化が進む中、吟祥堂本舗は手作業で稲庭うどんを製造する数少ない製造所の一つ!伝統的な「手綯い(てない)手延べ製法」で、約4日間かけて職人さんが手づくりします。

     生地に使う材料は、小麦・塩・水のみ!いたってシンプルです。練り作業を行うのは、吟祥堂本舗、代表取締役の阿部さん。特に大事なのは水分量で、混ぜる水の量が多いほど麺の熟成が進み、滑らかで味わい深くなるのだとか!でも、季節・気候によって熟成スピードは違います。時間をかけてじっくりと熟成できるよう、水や塩の量、生地を寝かせる時間まで、日々の微調整が欠かせません。

    練り上げた生地は1日~1日半ほど熟成させ、いよいよ麺にしていきます。

     こちらは、「手綯い」と呼ばれる工程。平行になった2本の棒に、麺を8の字にかけていくのですが・・・おや、よく見ると麺を手の平でねじっている!?

     職人さんの手つきが、それはもう早いので最初は気づかなかったのですが、手の平で麺をねじり、撚り(より)を入れています。撚ってかけて、撚ってかけて、これを繰り返す。これによって、できあがった麺がしなやかに仕上がるんですって!手綯いは、まさに職人技。今はこの作業を機械で行うところもあるそうですが、吟祥堂本舗では手作業で行います。

     手綯いの後は、麺をつぶす工程です。

     麺がくっつかないよう、打ち粉をします。馬鈴薯のデンプンを使うことで、麺を茹でたときにつるつるに仕上がるそうです。

     麺を少し延ばし、

     平たくなるように、ローラーでつぶします。

     一見、麺同士がくっついてしまったように見えるのですが、あら不思議!指をとおすと1本1本きれいにほぐれます。こうして麺をつぶすことで、茹で上りが早くなり、コシも出るんだそうですよ。

     この後は、いよいよ手延べの工程へ。

     「この工程を見た方は『切れずによくこんなに延びるな~』と、皆さん驚かれますね。」そう話す社長の阿部さん。しっかり熟成させているからこそ、よく延びるのだそうです。見るからに繊細な麺を、絶妙な力加減で次から次へ延ばしていく職人さんたち、本当にすごいです。

    ■お酒のつくり手から、稲庭うどんのつくり手に

    ▲稲庭吟祥堂本舗 代表取締役 阿部充さん

     実は阿部さん、以前は酒蔵に勤めていたそうで、利き酒師やソムリエの資格を持たれている、お酒のエキスパート。約30年前、日本酒業界の売上が低迷していたこともあり、実家の家業であった稲庭うどんの製麺に目を向け、一念発起。稲庭うどんのつくり手になったそうです。

     「家業を継いだ当時は、販路もなければ人脈もなくて、倉庫を見れば在庫の山で、まずはそれをどうにかするところからでしたね。」毎日、県内、そして東北地方全域を車で走ったり、電話帳のア行から順番に東京の卸企業に電話をかけて営業に行ったり、その繰り返しでようやく従業員を雇えるように。そんなエピソードも教えてくださいました。

     また、ソムリエの資格は今も役に立っているそうで、うどんとつゆの組み合わせや食べ合わせなど、稲庭うどんをよりおいしく味わってもらえるように日々考えているそうです。

    ■うどんの個性を楽しむなら、”冷たいつけめん”で!

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     阿部さんおすすめの食べ方は、冷たいつけめん。この食べ方が、うどんの個性が一番わかるのだそうです。夏はしその風味をプラスしてもおいしい!また、「どんな”つゆ”と合わせるかも大事なんです」と阿部さん。稲庭うどんは平たい細麺なので、昆布だし系のあっさりとしたつゆと合わせると、小麦本来の味わいを楽しめるそうですよ。

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     吟祥堂ならではの「お湯を注ぐだけの稲庭うどん」もイチオシ!なめらかでもっちりした食感や、風味を活かすために国産小麦を100%使い、特殊製法で即席加工したもの。茹でたての食感を見事に再現しています。ねぎ・わかめの具材と比内地鶏のつゆも付いており、器に麺と具材を入れ、熱湯を注いで5分!最後につゆを加えればできあがり~!

     おうちで簡単に、手づくりの稲庭うどんが味わえるって、うれしいですよね。稲庭うどんのなめらかな口当たりとしなやかなコシ、熟成によって引き出された小麦の旨味をお楽しみください。

    ■手づくりこそが一番のこだわり

     「うちは小さいメーカーですけど、稲庭うどんは”手でつくっている”ということをしっかり残していきたいですね。大量生産はできなくて効率は悪いですけど、そこをなくしてしまったら稲庭じゃなくて、普通の麺になってしまう。”手づくり”こそが一番のこだわりです。」
     伝統の技を守り、広げていきたいという気持ちを阿部さんは熱く語ってくださいました。

     350有余年伝わる「手綯い手延べ製法」により、手綯い職人が麺一本一本を手作業でつくり上げた稲庭うどん。手づくりにこだわったそのおいしさを、ぜひお試しください!

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